小学部で国語の授業をする時に、私は生徒に音読をしてもらいます。
読むスピードで読解力も図れますし、読めない漢字で語彙力も予想がつきます。
つまり、その子の国語力がどのくらいなのか、音読ですぐに把握できるのです。
「国語が得意な子は、たくさん本を読んでいる。だから、読解力をつけるために本を読もう!」という話をよく聞きます。
たしかに、たくさん本を読めば自然と読むスピードは上がります。
でも、本嫌いな子に本を勧めても、そもそも読もうとしませんよね。
しかも、たくさん本を読んだからといって、テストでの読解力が上がるわけではありません。
子どもが読むといえば「物語」が多いですが、子どもの苦手は「論説文」のことが多いからです。
ジャンルが違えば、出てくる語彙も内容を把握するコツも異なります。
代わりに、家庭で音読し続けることをお勧めします。学校の教科書や塾のテキストだけで構いません。
音読の効果は諸説ありますが、私が勧める理由は、以下の部分が大きいです。
◆ 自分が読めない字=「分からない語句」を意識するようになる。
(漢字の意味で類推する < 先生に聞く < 自分で調べる、と進化していくと理想的です)
◆ 問題を先に見て、答えに関係ありそうな部分だけを拾い読みしなくなります。
(論説文は、対比している内容や筆者の主張も理解する必要があります)
◆ 音読のスピードが上がると、自分が成長したことを実感しやすい。
(他の科目より成長を実感しにくい科目だからこそ、喜びが必要です)
本嫌いであれば、是非音読を試してみて下さい。 センター北校室長 渡辺崇