MEN-DO-MI(面倒見)をカタチにする学習塾

本気で点数を上げたいなら…

本気で点数を上げたいなら…

 先月、神奈川地区の中学1年生、2年生の保護者様を対象とした保護者勉強会を開催しました。当日は県立高校・私立高校の先生をお招きして、「高校が求める生徒像」というテーマで講演も行って頂きました。
 
 会の前後に高校の先生方とお話ししていて強く感じたことがあります。それは「自ら主体的に学習に取り組む生徒を求めたい」という高校の先生方の想いでした。私も全く同感です。塾は学習のお手伝いをする場であって、学習に取り組むのは子ども自身です。塾で、宿題を出すこと、小テストを行うこと、そして、弛んでいる時に雷を落とすことは、全て家庭での学習習慣を確立するための手段なのです。
 
 ところが、「勉強のやり方が分からない(だから、やらない)」という受け身な考え方を持っている子ども、家庭内でのお子さんの学習状況を無視して短期的な結果ばかりを追い求めている保護者の方がいます。「点数が上がる特効薬」を欲していらっしゃるのかもしれません。残念ながら当塾にはそんなものは存在しません。
 以下は、現場で時々耳にする講師と生徒とのやり取りです。

講師:「家でどれくらい勉強している?」
子ども:「勉強のやり方が分からないのでやっていません」
講師:「…」(怒)

 テストの点数を上げるには本人の努力、家庭内での努力が欠かせません。家庭学習の不足を棚に上げて、点数だけを追い求めようとするのは虫が良すぎます。もし、短期的に点数の急激な上昇を求めるのなら、まずはご家庭・ご本人の意識改革が必要です。家庭内で学習できる時間を多く創り出すべきです。

 部活もやりたい、やらせたい。遊びたいし、遊ばせたい。結果として学習時間は十分に取れない。それでは点数に大きな変化は望めません。

 お子さんは学校や塾の授業を受けた後で復習をしていますか?保護者様はさせていますか?やれていなければ塾を辞めさせる、部活も辞めさせる。そんな覚悟でお子さんに向き合っていますか?また、土日がほぼ部活で潰れて学習時間が取れていない場合、学校や部活動の顧問に本気でぶつかっていますか?適正な学習時間の確保を家庭内生活全てにおいて最優先にしていますか?

 短期的な学習成果を第一義に欲するのであれば、障害となるものを多少の犠牲を払ってでも取り除いていく強い意思が、保護者様にもお子さん自身にも必要なのです。

 一方で、あまりに多くの犠牲を払って勉強だけにいそしむことを私は是としているわけではありません。何のために勉強するのかと言えば、その本質は個人としての幸福と社会への貢献が目的であるわけで、それは机に向かうことだけでは得られないと考えるからです。
 
 従って、我々は、学校生活や部活動、家庭内での潤いと両立できる範囲での努力を子どもに求めています。バランスが取れた大人へと成長させるために、私どもも含めて大人が、一人ひとりの子どもの個性に応じて、可能な範囲での努力量を明示して取り組ませるべきでしょう。加えて、大人自身の言動や態度がぶれないものであることも大切な要素であると私は考えています。

 もっとも良いのは、大人が言わなくても自発的に学習に取り組むようになることです。しかし、最初からそれができるような子どもはそれ程多くはいません。経験的な数値ではありますが、全体の10%内外でしょう。それ以外の子どもの場合には、最初は大人の揺るぎない方針の下に強制的に家庭学習時間を確保し、最終的にはそれが習慣化されて自発的に机に向かうようになればいいと考えます。

 特効薬などはありません。学校定期テストで大幅に点数が上がった子どもの多くは、家庭学習量を以前よりも大幅に増やしているのです。テスト点数の向上は必然の結果と言っても過言ではありません。

 それを踏まえて頂いてから初めてノウハウです。日々、学校や塾の授業ノートをまとめ直しながら理解の確認をする。理解できないところは自分で調べる。それでも分からなければ翌日、教師のところに自ら質問に行けばいい。理解ができれば暗記です。暗記ができているかどうかは別の紙に、何も見ないで紙に書いていけるかどうかで測定をします。口でブツブツと言いながらやれると最高です。英語で発生し易い「書けるけど読めない」はこれで撲滅できます。その上で問題演習です。塾の教材で構いません。ノートに解いていく。その際に注意したいのは、自信を持たずに解答したものには、教材の問題番号に△をつけるということです。勘でできているだけではテストの際に勘が当たるかどうか分かりませんから。後はスピードです。だらだらとやる癖がついては「テストで時間が足りなかった!」になりかねません。一問一答形式のものであれば一問あたり10秒以内で解いていくようにしましょう。一通り解き終われば、即、答え合わせです。×だった問題には教材の問題番号にも×をつける。解答集に付随した解説を読んだり、自分でノートを見返したりして理解をしていく。ここでも理解ができなければ、やはり教師のところに質問に行くべきです。

 一週間後には、△や×がついた問題を解き直す。それでも解けない時には☆をつける。もう一度、その問題の解き方を確認する。☆がついた問題はテスト前に再度おさらいをするのです。

 とても大変な作業です。しかし、程度の差はあれ、点数が取れる生徒はこれに近い作業を確実に行っています。当塾に通う高校生の中には、授業日以外にも塾にやってきて、それこそ毎日5時間以上自習している生徒もいます。本当に必死になって解き直しと暗記を行っています。勉強ができる子はそれだけの努力をしているのです。ほんの一部の例外を除き、学習成果は勉強量に比例します。家庭学習にどれだけ時間が取れるのか、そして実際に取るのかということが、成績向上の根幹にあるということを、ぜひ認識して頂きたいと考えます。私たちにできることは、そのためにモチベーションを上げたり、指針を与えたり、子どもたちが躓いた時に手を差し伸べたりすることなのです。

 塾によっては、家庭学習を一切不要とする位のシステムを導入しているところもあります。素直に敬意を表します。しかし、私たち自身がそれを真似ることは致しません。なぜなら、いつかは、子どもは塾を巣立っていく、そして、巣立った後の方が大切だと考えているからです。前段で述べた、大人の強制による家庭学習時間の確保も、あくまでも学習習慣確立の手段であって、徐々に子ども自らが主体的に学習に取り組めるように仕向けていき、最終的には自学自習ができる人間を育てたいと強く強く願っています。

 繰り返しになりますが、まずは、前述の家庭学習をできる範囲で始めてください。始めさせてください。日常の生活で可能な範囲で構いません。前述の内容を全くやっていなかったお子さんが、家でだらだらしていた時間を潰して学習時間に当て、その半分でもやるようになれば見違えるほど理解力が上がります。理解力が上がれば、子どもの質問の質も変わります。それを繰り返していけば確実にテストの点数が変わってきます。

 私たちは今後もこの基本方針を堅持して子どもたちを応援し続け、結果として点数の向上を目指せるように努めて参ります。

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